今年度のキャリア教育が始まりました。
「中学生による中学生のための職業ガイドブックづくり事業」です。早速、取材のサポーターとして、中学3年生男子学生を引率しました。彼らは私立中学のラグビー部4人とテニス部一人の5人チームです。中には188cmの身長の子もいて、みんな体育会系なだけに体がすぐ動くスカッとした生徒たちでした。
今回の取材先は「特別養護老人ホーム」に行きました。このホームは私は昨年に引き続き、2回目のサポーターです。7階建てのその施設は1階が受付と事務室があり、ショートステイやデイサービスの人たちも受け入れてます。2階はふれあい広場となっており、お誕生会や季節の行事が行われ、季節ごとに、折り紙を使った花火や風物詩のディスプレイが見事です。各階の壁にも、まるで保育園のように、さまざまな色紙で作ったお花や動物などが飾られ、楽しい雰囲気づくりが演出されています。
ふれあい広場の一角に、最近、行われたのか書道が張り出してありました。「起承転結」など、難しい漢字もありましたが、その中で多かったのが「母」という文字でした。そこに入所されている人たちはとっくに祖父母の年齢なのですが、いくつになっても「母」という字を選んでしまう存在の大きさ凄さが「母」にあるということでしょう。
3階は重度の要介護者、4階は中度、5階は自分で動いて回れる軽度の方がおられ、このホームに入所を希望されている方はなんと456名も待機中とのことでした。6階はデイサービスやショートステイで来られている方々のレクレーションや娯楽の場で、昼食がでるのはもちろんのこと、入浴やリハビリ訓練ができるような広場になっています。
7階は栄養士さんが常駐している厨房と洗濯室があります。ここで作られる献立は老人の咀嚼力や嚥下力に合わせて、スパゲティは短く切ったり、にんじんなどは一度裏ごししたものをもう一度、にんじんの形にしてあったりとさまざまな配慮が施されています。
この度の取材チームは2階のふれあい広場で朝礼に参加し、夜勤明けの看護師さんの食事や病状や行動や排便のあるなしまでの細やかな引継ぎ報告を聞き、インタビューを1時間ほど行ったあと、各階を見学しカメラマン係りは撮影しました。5人の中で祖父母と同居しているのは2人でしたが、まだまだ、祖父母と言っても60代くらいの年齢でしょう。ここに入所されているお年寄りとは年齢的な開きがあると想像されました。6階のショートステイやデイサービスで来られている方々は、ぬり絵をしたり、テレビを見たりくつろいでおられました。中には、入浴された方が車椅子で出てこられたりする場面もありました。
5階、軽度の入所の方々もちょうど11時のおやつタイムで談話室に何人もおられましたが、生徒たちは90歳前後のお年寄りを大勢見ることは初めてのようで、足が一歩前になかなかでないのでした。そのうち、一人は顔面蒼白になり気分が悪くなったというので、2階のふれあい広場で 待っていなさいと取材班からは外しました。なるべく、中に入り会話をするように運びましたが、4人とも返事をするのがやっとでした。「ここには、中学生はなかなか来ないから、君たちを見るだけで元気が出るんだよ!」と少しはしゃべるように促したものの、いきなり喋れるものでもないでしょうから・・・。
なによりも、かなりショックを受ける取材先であったと思います。階を降りるごとに、重度の介護が必要なお年寄りですから、寝たきりの103歳の方、自分で痰が出せなくなった90代後半の方、看護師さんが痰をとりながら、自分の仕事について語ってくださいました。入浴用の車椅子や入浴用のベッドも見ました。お湯に浸かるのが好きな日本人です。体が不自由になっても、シャワーだけでなく、お湯に浸かることができるのは大変な喜びとなるのではないでしょうか。
3階のナースステーションの奥のベットは「看取り」のためのものと聞き、絶句しましたが、生徒たちは「看取り」という言葉の意味も知らないと思い、「死にそうな人の最後を見守ってあげることを看取りというのよ」と教えながら、家族も間に合わない時、ここの方がそばについていてくださることを思うと、胸が熱くなってしまいました。本当に、頭の下がる仕事を取材した5人でした。最後に、感想を述べさせました。同じことを言わないという条件をつけて、○T君=デイサービスとか大変だなーと思った。
○M君=3階のフロアがすごかった、
思っていたより仕事が大変そうだった。
○S君=思ったより老人が楽しそうだった
○MO君=老人を見て、自分のおじいちゃん
おばあちゃんのことを思い出し、ショックだった。
○F君=勤務時間で寝る暇もないでしょうが、
頑張ってください。
彼らのこれからの人生に印象に残る取材だったのではないかと感じました、最後に、いい文章に仕上げると約束してくれました。私たちもキャリア教育を命かけて推進しています。世の中の理解がもっとほしいところです。